初夏の珍事ふたたび!

野鳥のキセキレイがまた卵を生みました。

 

 昨年の夏、我が家に感動をもたらしたキセキレイ、そのつがいがまた巣をつくったのです。季節は春4/22、子供の“秘密基地”の近くでの偶然の発見でした。昨年より二ヶ月も早いです。
 どうやらそれには訳がありそうです。一年前、六羽の雛のうち五羽までも食べてしまったヘビを覚えてますか、感動とともに自然の残酷さを教えてくれたました。今年は昨年と違い、キセキレイも学習したようです。
 三つの学習をしたものと思われます。一つは人間の近くに巣を作りつつも、人の気配に邪魔されない場所に作ったこと、ガレージの下だと雨宿りにも最適です。二つ目、天敵であるヘビの活動が鈍い春に卵を産んだこと。三つ目にこれが重要なのですが、ヘビが届かない場所にうまく作ったことです。これには一級建築士の先生もびっくりでしょう。すでに六個のたまごがそこにありました。
 4/29のみどりの日には元気にヒナにかえっていました。今回は何日に卵を産んだのが定かではなかったため、あたためていた期間が分かりません。しかし、昨年よりかは集中してあたためることができたようです。時間差なく、すべてがヒナにかえりおきな口をあけています。
 ただ気がかりは今日からはじまったゴールデンウィーク、巣立ちと重なってしまったらと不安がよぎります。
 巣をのぞくと親鳥が「ピーピー」危険を知らせます。そんなことをよそにすやすや眠っているヒナたち。そのうちガレージに車が入るとピーピーいうようになり、お客さんの到着を知らせてくれるように感じます。私としてはなんとなく複雑な心境です。
 拡大するとこんな感じです。まだ目は開いていませんが六羽元気にウゴウゴしています。ここまでは昨年とまったく一緒のヒナたちです。ただ気がかりなことがまた一つ。となりの家の屋根に巣を作っているスズメがキセキレイの巣に近づいてきているのです。
 4日後、5/3の昼前にとんでもないものを発見してしまいます。なんと、ヒナがテラスの人工芝の上で死んでいるではありませんか。これには驚きました。ママがその死骸を拾い上げてみると「これ違うよ。産毛がないもん」
 そうです。よく見ると死骸はつるつるでキセキレイのものではないように見えます。果たしてどうなのでしょうか。
 緊張の面持ちで巣をのぞき込むとどうやら六羽ちゃんといるようです。そろそろ目も明きはじめ、くちばしもしっかりしてきました。かわいいですね。
 ではあの死骸は何だったのでしょう。想像ですが、スズメのヒナだったのかもしれません。あのスズメは子を失って気が動転してキセキレイに近づいたのかもしれません。
 天を仰げは親鳥が餌を加えて私がいなくなるのを待っています。ヒナは今、育ち盛りの食べ盛り、せっせせっせと餌を運ぶ親の姿がしばらく見られました。
 その一方でたまにやって来るカラスを撃退したり、野良ネコに注意を払ったりと大忙しです。
 ちょっと動くと汗ばむ陽気、息子の“テディ”も日光浴です。冬の間にいっぱい吸い込んだホコリを吐き出しましょう。
 テディの視線の先には電線に留まるキセキレイの姿があります。
 5/5、子供の日にちなんでか、ヒナたちの目がはっきり明いているのが分かります。そろそろ巣立ちかな?でも昨年のピッピのように巣の上に立つような姿はありません。まだまだかな。
  ゴールデンウィークは忙しい日が続きました。とてもヒナのことを考えている雛、いや暇はありません。でも娘たちは折に触れのぞいては「まだいるよ〜」と安心した表情を浮かべています。親鳥はピーピーピーと巣立ちを促しています。でもヒナたちはすっかり巣に落ち着いた表情です。

 そしてとうとうその日が訪れました。8日のお昼ごろ、私もそろそろかと思いはしごをかけて登ってみました。するとかわいいヒナたちがポワポワポワッて感じでうずくまっています。ちょっと触ってみようと手を伸ばすと一羽がパーッと飛び立ちました。それを親鳥が追いかけて見届けるではありませんか!!
 その後も巣立ちをうながすキセキレイの夫婦、もう餌は与えていません。自分たちで捕らえねばならないのです。いよいよその瞬間が近づいているようです。
「きょう一羽巣立ったぞ。見てごらん」娘たちが学校から帰って巣の中をのぞくとそこにはヒナの姿はありませんでした。残されているのは立派なフンだけです。一羽ぐらい巣の底に踏みつぶされているのがいると思いましたが、みんな残らず飛び立ったようです。子供たちにその瞬間を見せてあげることができなくて残念でしたが無事飛び立って本当によかったです。

 

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